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試作・仮

焼酎の歴史

焼酎のルーツ 昔からと思えばよい

恋は神代の昔からという言葉もありますが、酒は有史来さまざまなかたちでさまざまな所で、人々の暮らしを彩ってきました。
蒸留技術は、6000年前の古代メソポタミアでとか、中国で既に2000年前でとかの説もありますが、それほど深く私たちとかかわってきたということでしょう。
ところで薩摩の焼酎が文献に登場するのは16世紀です。
1546年、薩摩半島の山川に半年間程、ポルトガル人の船長のジョルジェ・アルバレスという人が滞在しました。彼は後に伝道のため来日するフランシスコ・ザビエルのため、『日本報告』を認めています。その中に、「飲み物として、米からつくるオラーカ」があると記されています。「オラーカ」とは、蒸留酒のことです。

人生のツール 焼酎のうらみ

フランシスコ・ザビエル来日からほどない1559年、鹿児島県伊佐市の郡山八幡神社の棟木札に、小粋な落書きをした宮大工がいました。棟木札は、家の上棟の時、日時や施主施工者などを記して棟木に飾る板のことです。
それには「座主はとてもケチで一度も焼酎を下さらない」旨のことが書かれています。座主とは仕事を頼んだ氏子総代のような人でしょう。
まさに飲み物のうらみは末代までたたるというところでしょうか。この記述から焼酎は当時すでに広く飲まれていた、という人もいますが、やはり日常の飲み物というより、「ふるまい酒」として珍重されていたのではないでしょうか。

サツマイモの伝来

サツマイモは中南米の原産で、フィリピンから中国、琉球を経て日本に伝わったと言われています。
サツマイモ・リュウキュウイモ・ナガサキイモ・甘藷や蕃薯、すべてサツマイモの呼び名です。
薩摩では、カライモと呼ばれてきました。カラは唐天竺のカラ。海のかなたからの到来物のイモと言うことです。逆に奄美の喜界島では、ハンスーと言ったりします。これは蕃薯(バンショ)が、ハンスーと訛ったものです。
種子島では、17世紀末に領主種子島久基が島内に広めさせています。薩摩に伝わったのは1705年、山川の漁師利右衛門が、琉球からサツマイモを持ちかえりました。利右衛門は甘藷翁と呼ばれ、「玉蔓大御食持命保食神(タマカズラオオミケモチノミコト)」となって同地の徳光神社に祭られています。
なお後に甘藷先生と呼ばれた青木昆陽が『蕃薯考』を著したのは1735年のことです。

​出典:薩摩酒造株式会社 https://www.satsuma.co.jp/con-shiru-rekishi.html

焼酎の造り方

焼酎は原材料となるサツマイモや麦など、そして麹と酵母と水から造られます。それを図示してみました。
まず、良質なサツマイモなどの原材料が大切です。
次に、「焼酎造りは麹造りから」という言葉もあるように、麹造りがカギを握ります。
麹は二昼夜寝かされます。麹の機嫌をとりながらうまく寝かせるのがコツです。
それに水と酵母を加えて仕込むのを一次仕込みといいます。そして約1週間後、今度は蒸して砕いたサツマイモなどの原材料を入れます。これが二次仕込みです。
麹ももろみも活きています。ぷくぷくぶつぶつ、杜氏や倉子たちはほとんど不寝の番で、甕をのぞいたり櫂棒で混ぜたり、まさにもろみたちをなだめたりすかしたりという感じです。こうして約10日間醗酵された焼酎もろみを、いよいよ蒸留してゆくのです。

仕込み 焼酎独特の二次仕込み

 

焼酎の仕込み法には、二通りあります。
ひとつは、焼酎の造り方で述べたように、一次仕込みと二次仕込みを分けて行なうやり方です。
明治末期黒麹の導入とあいまって、この二次仕込みのやり方が確立しました。
それまでのやり方は、清酒造りに基づいた水と麹とサツマイモを一緒に仕込むやり方でした。これはドンブリ仕込みと言われました。ドンブリは、何もかも一緒くたにする勘定をドンブリ勘定というあのドンブリから来ています。もちろん今でも、あえてドンブリ仕込みをして昔ながらの風味を求める時もあります。

薩摩酒造はSDGsの達成を目指して、今月からエルステッドインターナショナル(株)、福岡工業大学、(株)BlueForceと共同で「焼酎粕の新エコシステム構築プロジェクト」を発足し、次世代電池実現に欠かせない焼酎粕由来の特殊な活性炭の開発に携わることを通して日本政府が提唱する「2050年カーボンニュートラル宣言」の実現に貢献する。  同プロジェクトは、本格焼酎造りを行う過程で発生する焼酎粕(かす) を5R(Reduce(リデュース)、Reuse(リユース)、Renewable(再生可能)、Reborn(再生)、Recycle(再生利用))方式により、次世代電池の電極材に変換する「環境・エネルギーミックスビジネスモデル」プロジェクトの一環。  薩摩酒造が本格焼酎を製造する過程で発生する焼酎粕は、年間1万トン以上に及ぶことから同社では近隣15社の焼酎蔵元と協力し積極的に3R方式(Reduce、Reuse、Recycle)による環境配慮を加味した製造システムの運用に努めてきた。  具体的には焼酎粕を液体と固体に分離し、液体部はメタン発酵させクリーンエネルギー化しボイラー燃料として再利用している。固体部は乾燥させ飼料化することで、CO2削減と鹿児島の主要産業である畜産業への資源循環の実現を推し進めてきた。

 

プロジェクトのロードマップ

 持続可能な社会の実現が強く叫ばれる中、より社会に貢献できるかたちを模索していた折に福岡工業大学田島大輔教授が最高技術責任者を務め、(株)BlueForceがプロジェクト化した「環境・エネルギーミックスビジネスモデル」事業に参画する機会を得て、今回のプロジェクト発足に繋がった。

この「環境・エネルギーミックスビジネスモデル」を「焼酎かす新エコシステム」に改めることになりました。

焼酎かす新エコシステムは5R方式の完全循環型製造システムです。3R方式では廃棄を少なくすることが中心ですが最終処理が発生します。それに対して、5R方式では有機廃棄物を活性炭を製造する資源とみなします。この活性炭を用いて電池を作り、再生可能エネルギーを蓄電させます。

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